人用のシャンプーを犬に使うのは危険?

こんにちは!ミニット山田です。

犬の肌はとてもデリケートなので、人用のシャンプーを使うには刺激が強く危険だという話をよく耳にします。

その根拠の一つに挙げられるのが皮膚のpH(ペーハー)値です。
人間を含め一般的な哺乳動物の皮膚pHは酸性ですが、犬の皮膚pHは中性からややアルカリ性に傾いています。
そのため、人用シャンプーは刺激が強すぎて犬には適さないというのです。

しかし、実はpHの違いだけで人用シャンプーが犬に悪いとは一概にいえません。
本記事ではpH、酸性、アルカリ性の知識を通じてその理由を簡単にご説明したいと思います。

pH(ペーハー)とは?

pH(ペーハー)は、水性物質の酸性度またはアルカリ度を示す0から14までの数値です。7が中性で7未満は酸性、数字が上がるとアルカリ性となります。

犬の皮膚は上述の通り一般的にややアルカリ性のpHを有しており、その値は非常に広範囲で一説ではpH5.59.0とも言われています。それに対して人の皮膚はpH4.56.0程度で、弱酸性に位置します。弱酸性シャンプーが肌にやさしいといわれるのはこのためです。

pH値は常に一定ではなく、シャンプーなどの外的要因によっても変化します。例えば酸性のシャンプーを使えば皮膚のpHは酸性に傾き、アルカリ性のものを使えばアルカリ性に傾きます。ただし、変化は一時的なもので、時間の経過とともに元の値に戻る力が働きます。pHスケール

酸性とアルカリ性の皮膚への影響

皮膚の酸性度あるいはアルカリ性度は皮膚に生息する細菌や微生物の種類や量に影響します。表皮に生息する細菌や微生物にとって最も嬉しいのはpH7.08.0程度の弱アルカリ性の環境です。

細菌や微生物の繁殖は「かゆみ」などといった皮膚トラブルの原因になります。ですので、人の皮膚のように弱酸性であれば細菌や微生物の過度な増殖を防ぐ効果が高いのですが、どちらかといえばアルカリ性度の高い犬の皮膚は比較的細菌や微生物が増えやすい環境にあると言えます。

シャンプーには皮膚のpHを一時的に変化させる効果があるので、犬に弱酸性のシャンプーを使うことで皮膚のpHを酸性に傾け、その結果として犬の皮膚で細菌や微生物の増殖を防ぐ効果が期待できます。

かゆい犬

犬用と人用シャンプーの違い

犬用人用に関係なく、市販されているシャンプーには酸性からアルカリ性まで様々あります。しかし、犬用と人用では用途や考え方に大きな違いがあります。

人用のシャンプーは毎日使用することを念頭においているため、洗浄力は控えめで髪の毛への効果に重点が置かれています。一方の犬用のものは、洗う頻度が少なく被毛や皮膚に付着する汚れが多いため、洗浄力に特化していることが多いです。

一般的に洗浄力はアルカリ性のほうが強いため、実はシャンプーはアルカリ性がほとんどで、弱酸性と言われていてもpH値が高いものがあります。

ただ犬の皮膚のpH値は人間よりも高いため、シャンプーのpH度が多少高くとも元の皮膚のpH度よりも一時的に値が下がる(=酸性に近づく)こととなり、例えば人用のシャンプーを犬に使うと、洗浄力は落ちますが、人間が使うよりも細菌や微生物繁殖を防ぐ効果が相対的に高くなるともいえるのです。

ミニットのシャンプーは?

ミニットのシャンプーも例に漏れずアルカリ性の成分を配合しています。犬は洗う頻度が低く外出することも多いため、その分様々な種類の汚れが付着してしまいます。そうした汚れを効率的にしっかりと落とせるように設計されています。

シャンプー後のpHが気になる方はミニットのコンディショナーを一緒にご使用ください。ミニットのコンディショナーはヒアルロン酸成分などを配合しているので、犬の皮膚や被毛のpH調整に役立ちます。

まとめ

  • 犬に異なるpHのシャンプーを使っても、皮膚にはpHを元に戻す力があるので大丈夫。
  • 犬用でも人用でも同じようなpH値をもつシャンプーがあるので、弱酸性シャンプーだからといって皮膚にダメージを与えるとは限らない。
  • ただし、目的が異なるので犬に人用シャンプーを使用しても求める効果が得られない可能性がある。

つまり、犬に人用(酸性よりの)シャンプーを使うことに危険はありません。が、人用のシャンプーは犬を洗うのには洗浄力が足りず、長期間使うことで本来取るべき汚れが取り切れずに残り、結果的に皮膚の状態を悪くする可能性はあります。

そのため、仮に人用のシャンプーを使う場合、処方内容や洗浄力をしっかり確認してからにしましょう。

喜ぶ犬

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